ワズライ
誓うよ・・・。 誓う、誓います。 だから、俺の元に戻ってきて・・・。ワズライ 〜焉〜 俺の病状は一向に良くならない。 精神安定剤を飲んで少しは楽になるが、それが切れたらまた悪夢の続き。 ナルトの冷たいまなざしと声がよみがえってくる。 自分がこんなにも脆いものだとは思ってもみなかった。 なにが里一番の業師だ・・・。 写輪眼のカカシだ・・・。 一人の男の子に振り回されただけであっという間に崩れるほどのダメ人間。 その自覚が今までに無かったからこそ、今回のナルトの冷たいあたりは痛い。 「・・・・うっ・・・ごほっごほっ・・・」 精神病に併発しているこの風邪。 どうやら精神がやられると免疫力が著しく低下し、病気になりやすいそうだ。 だから俺はこんなうららかな春なのに風邪と欝で寝込んでいる。 コンコンッ 「失礼します。カカシ先生、大丈夫ですか?」 「あぁ・・・サクラ・・」 心配そうな表情を浮かべて来てくれたのは医療忍者で俺の教え子。 もう一人のほうじゃなくって少し残念。 夢でもいいからナルトに看病してもらいたい・・・。 「なら早くナルトと仲直りしたらどうですか?」 どうやら口に出していっていたようだ。 俺としたことが・・・。 「先生、鬱病になるくらいだったら浮気なんてしなかったらいいのに・・・」 「ホントに・・・そうだね。今更だね・・・」 「ナルト・・・もう本当にカカシ先生のこと、嫌いになっちゃったのかしら?」 「・・・・・・・・・・」 サクラの言葉によってグサリと心臓に何かが刺さった。 結構オブラートに包む事を知らない俺の部下。 普通の顔して俺の心臓を抉り取っていく。 「先生、知ってます?」 「・・・・何が?」 「ナルト、今じゃこの里で1,2を争うほどの人気なんですよ」 「・・・・・・へぇ・・・」 「笑った顔が好きだとか、裏表の無いところが好きとか、気さくな所がいいとか」 「・・・・・・・・・・」 「この里のくノ一は殆どナルトを狙っているらしいですよ」 「・・・・・・・・・」 「っていうか、男女問わず老若男女!!!」 「・・・・・ごほっ」 「サスケくんも好きだったぐらいだしね〜」 「・・・・・・・・・うぅっ」 「この際、清水の舞台から飛び降りるつもりで」 「・・・・・・・なに?」 「ナルトに復縁を申し込んだらどうですか?」 「・・・・・それ、もうしたから」 「あらら・・・ご愁傷様です」 にやりと笑ったサクラは全く、俺を哀れだとは思ってもいない表情だった。 そんな部下に少々恨めしい気持ちがわいたが、今は看病されている身。 下手に出たら見捨てられる・・・。 「ところで先生」 「ん?なに?」 「さっき、ナルトが花を持って病院に入ってくるの、見ましたよ」 「・・・・・え?」 にっこりと笑ってサクラは出口へとスタスタ歩いていった。 そして振り返り、いたずらっぽくウインクをした。 「もしかしたら・・・なんて。そんなこと、あるわけないですよね」 って言って、面白そうに出て行った。 俺の心臓、もつかな? 「あぁ、ナルト。待っておったぞ」 「なんだよ、ばぁちゃん。こんな花、持ってこさせて。 しかもエロ仙人もいるしっ」 「しかもとはなんじゃ、しかもとは・・・」 怪訝な表情で部屋にはいてきたナルト。 手には真っ白な花束。 その花束を綱出に渡し、だるそうに両手を頭の後ろで組む。 「で、なんか用だってば?」 「あぁ、お前にやっておかなくてはならないことがあってな」 「ん?何だってば?」 綱出はナルトの額当てをはずし、人差し指を額の中心に当てた。 「な、なんだってば!?」 「動くなっ!!!」 急な大声でビクリとするが、言われるがまま硬直する。 綱出は片手で印を組んで・・。 「解!!!」 「え・・・・・」 「あ〜・・・・ごほっ・・ごほっ」 俺の命もあの葉が木に引っ付いてる間だけかな・・・。 あぁ・・・死ぬ前にナルトとエッチしたかったな・・・。 風邪程度でそんなことを心で呟いている。 もともとやる気の全くにじみ出ていない目は、さらに死んだ魚のようになっていっている。 コンコンッ 軽快なノックの音。 そしてコノ気配・・・。 思い当たるのはただ一人しかいなかった。 「どうぞ・・・」 という前に本人は入ってきた。 「カカシセンセ〜・・・大丈夫だってば?」 ヒョコっと顔を出したのは、愛おしいナルト。 その表情は最後に見たときは全く違っていた。 そう、まるで・・・付き合っていたときのような・・・・。 いやいや・・自分はナルトに相当嫌われている。 これは俺を陥れるための罠に違いない。 欝の所為で考えることも右斜め下。 ナルトは自分が持ってきた花を病室のテーブルの上に乱雑に置いた。 カカシはその花をみて、ギョッとする。 その花は・・・。 ―――――・・・・百合。 「な、ナルト・・・その花・・・」 「あ〜。綺麗だろ?」 俺に死ねって言っているのね、ナルト・・。 お前が望むのなら・・・俺は・・・。 「実はさ」 うん、言わなくてもわかっているよ。 愛しいお前のためだもん。 命を捧げるから、俺にお前の愛を―――。 「綱出のばぁちゃんがさ、カカシ先生に此花で見舞いに行けっていうからさ」 つ・・・綱出様? 「そうだ!!カカシ先生!!」 「な、なに?」 急にナルトのドアップ。 精神状態が安定していないカカシには少々ハード。 「退院したらさ、一緒に旅行行かない?」 「・・・・は?」 「実はさ、コノ前、エロ仙人との修行で泊まった旅館がさ〜」 「・・・りょ・・・りょこう・・・」 「すんげぇ綺麗でさっ。カカシ先生と一緒に行きたいな〜って」 「・・・おれと・・・」 「あ、でも、一緒に行ってもカカシ先生どうせ、浮気するしな・・・」 「・・!!!」 「やめたほうが・・・ってか喧嘩したままだし」 「し、しない!!」 「ん?」 「浮気しない!!!」 「は?信じられねぇってばよ・・・」 「絶対しない!!喧嘩した状態なら俺が謝る。土下座でも何でもするから、行こう!!!」 「ど、どうしたってばよ・・・」 目に生気の炎を宿し、今はナルトとお泊りのことで一杯一杯になっているカカシ。 そのカカシに若干引き気味のナルト。 「どうしたんだってば・・・・?」 「いいからっ」 「・・・わ、わかったてばよ・・」 必死すぎるカカシにナルトは折れ、旅行はあっという間に決定した。 それから数日後。 ナルトの看病もあってか、カカシの欝と風邪はあっという間に完治。 カカシは意気揚々とナルトとともに旅行へでかけたのだった。 後日談 それからというもの、カカシは浮気を一切せず、ずっとナルトの尻に敷かれていた。 今まで付き合ってきた女ともしっかり手をきった。 「ところで、ナルト」 「ん?なんだってば?」 「どうしてあんなに冷たかったの?」 「それがよく覚えてねぇってばよ・・・」 「へ?」 「それがさ、カカシセンセーと別れた(?)間の記憶があいまいっていうか・・」 「そうなんだ・・・」 「でもすんげぇ、むかついたのは覚えてる」 「!!!」 「あの時はホント、殺したいぐらい・・」 「ナルト!!俺は今、ナルト一筋だよ?」 「わかってるってばよ」 「どうやら、成功のようだね」 「カカシのやつにナルトをくれてやるのはなぁ・・・」 「ま、結局のところ、あたしたちが止めても同じことなのさ」 「・・・・・・はぁ・・・馬鹿弟子が・・・」 FIN
あとがき 『カカシ先生、最低だってばよキャンペーン』コレにて終了です。 めっちゃ時間かかりました・・。 最後かなりgdgdですが、何とか終了。 最終話を長らくお待たせして申し訳ないです。 軽いスランプですね・・・。 あと時間が>< また、何か短編を書いてみとうございます・・・。 ところで、短編ってなに?\(^o^)/