ワズライ
遂に俺はキレた。 カカシ先生の行動にキレた。 今まで我慢してきたけど、今度という今度はぜってぇ許さねぇ!!!!ワズライ 〜離〜 桜が舞い散る季節、ナルトは恋人のはたけカカシのもとへ向かっていた。 珍しくナルトもカカシも任務が休みなため、二人っきりで過ごす約束をしていた。 久しぶりの休日に恋人と一緒に過ごせることが嬉しかった。 ナルトは約束よりも一時間ほど早くカカシの家に訪れた。 ポケットから合鍵を取り出し差し込み、回す。 カチリッ 短い音と共に家のドアが開いた。 ドアを開けると部屋は暗いままだった。 奥から人の気配がする。 きっとまだ寝ているのだろう。 寝坊魔のカカシを起こすべく、ナルトはベッドに歩み寄った。 そしてソロリと手を伸ばして布団を引き剥がそうとすると、微かに身じろいだ。 「ん・・・・アキ・・・」 布団を掴んだ手が震えた。 今、誰の名を呼んだ? 「たばこ・・・買ってきてくれた?」 夢うつつな意識で話しているのだろう。 「アキ?・・・はやくおいでよ。もう一回シよ?」 寝ぼけながらナルトの手を掴んだ。 「わりぃけど、俺ってば女じゃねぇ」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」 予想していた高めの女の声ではなく、ハスキーヴォイスの男の声。 ボヤボヤと寝ぼけていた頭も急速に覚める。 瞑っていた目を恐る恐る開けば、目の前には阿修羅の如く。 「早めに来てみれば・・・また浮気かよ・・・」 「・・・おはよ」 「『おはよ』じゃねぇ!!!!!!!!」 ブチギレたナルトはカカシをベッドから突き落とした。 衝撃的なことに追いつかなかったカカシは受身も取れずに床に転がった。 「毎回毎回毎回毎回・・・・・これで23回目だってばよ!!!!」 「いやぁ・・昨日アスマと飲んでいたら声をかけられちゃってね」 「それでホイホイと・・・ってわけってば?」 「うん」 ニコニコと答えるカカシには反省の色など全く無い。 その態度もナルトの怒りの炎に油を注ぐ。 「・・・・・信じらんねぇってば・・・」 「ごめーんね?」 「・・・・・・・・・」 「なーると?」 「・・・・・・ってば・・・・」 「ん?」 ギンッとにらみつけた。 伏せていた顔を上げてこれまでに無いくらいの怒りを込めて。 「最低だってばよ!!!そんなんだからダラシナイとか誑しとか言われるんだってばよ!!!」 「だって事実でしょ?」 「・・・・・・っ・・・」 飄々としているカカシにナルトの怒りは沸点を向かえ、限界点を超えた。 「最低だっ、汚いってば!!先生のオゲレツ野郎っ」 「ちょっと・・仮にも恋人にオゲレツは無いでしょ?」 「本当のことだってばっ!!!先生は発情期の犬以下だってば!!この駄犬!!!」 「お前・・・師でもあり、上司でもあり、恋人の俺にそこまで言うわけ?」 「なんならもっと言ってやるってばっ!!淫魔っ、ヤリチンっ、インポっ、ロクデナシー!!!!!」 「あーはいはい、ソウデスネ」 「もう知らないってば!!」 「なに?別れるの?」 「当たり前だってばっ!!仏の顔も三度までっていうのに、俺ってば23回も我慢したってば!!」 「へぇーナルトにしては難しい言葉知ってんのね」 「その馬鹿にしたところも嫌いだってばよ!!」 「はいはい、ごめんなさいねー」 「っ・・・・・カカシ先生なんか、大っ嫌いだってばよ!!!別れてやるっ!!!じゃあなっ」 ナルトはカカシの部屋の合鍵をカカシに投げつけた。 カカシはそれを交わし部屋を出て行くナルトの背中に言葉を投げつけた。 「そんな見栄を張っちゃって、後悔しても知らないよ〜」 「知るかっ!!!」 ナルトはドアが壊れるほどの勢いで閉めた。 そして今に至る。 ナルトは自室でカカシ人形にクナイをブッ刺しながら怒り狂っていた。 「カカシ先生には呆れたってばよ!!!!」 「穏やかじゃないのー」 「うおあっ!!!!」 振り返ると自来也が窓に座っていた。 その顔はニヤニヤ・・・・もとい、ニッコリと笑っていた。 「な・・・なんだ、エロ仙人か・・・脅かすなってばよ」 「気配を読まんお前が悪いの」 「で、何か用なんだってば?」 「まぁまぁ、ココは師匠に茶のいっぱいでも出すのが礼儀だろうーて」 「・・・・ともかく靴を脱げってば」 ナルトはキッチンに向かい、お茶を入れ始めた。 「それで、おぬしが怒り狂っている理由はなんじゃ?」 「相談にのってくれんのか?」 「一応師匠じゃからな」 「・・・・あのさ・・・」 ナルトは今まであった出来事を自来也に話した。 「ま、何時かはお前の怒りが爆発するとは思っていたが、案外遅かったの」 「俺ってば結構懐がでけぇってば?」 「自分で言ったら台無しじゃが、あながち間違っちゃおらんな。 それで、お前はこれからどうしたいんだ?」 「・・・どうって?」 「し・か・え・し・じゃ」 「仕返し?」 「あのロクデナシを反省させるような仕返しが必要だろうが。 アイツの下半身に貞操帯が必要な時期じゃろ?」 「て、貞操帯・・・」 「まぁ・・・あいつのことだからのー」 「・・・・?」 「・・・・・・・・ふむ・・・・・。 ・・・・・・・ナルト、ちょっとこっちへ来い」 「なんだってば?」 「いいからこい」 手を上下に振って招く自来也。 ナルトは素直に自来也の手が届く範囲まで来た。 「額当てを外すぞ」 「え?なんだってば!?」 「いいからジッとしてろ。悪いようにはせん!」 額当てを外され、さらされた額に自来也の大きな手が当てられた。 その手はナルトの額と両目をすっぽりと覆い、目隠しのようになった。 自来也はにやりと笑い、右手からナルトの額へチャクラを送った。 「暫し夢でも見てろっての」 「え?」 そしてナルトの意識は遠のいた。 「何か用か?」 「ちょっと折り入って相談があっての」 火影邸の火影室に来たのは自来也。 綱手は今まで目を通していた書類から目を離した。 「実はな・・・・・・・」 「―――――・・・・っていうことだ」 「・・・・・それで、それが上手くいかなかったらどうするのだ?」 「アイツの気持ちはその程度だったということじゃ」 「お前がそうするのは、お前がアイツの師だからか?」 「名付け親と勝手な祖父的な部分からじゃ」 「個人的か・・・まぁ、いいだろう。期限は一応決めておく。3ヶ月だ」 「意外とまってくれるんじゃのー」 「本当は1年くらいにしたいが、とりあえず3ヶ月だ。 反応が鈍かったらもっと伸ばす」 「お前も個人的じゃの」 「私の可愛いナルトを傷つけたあいつに灸を据えてやりたいだけさ」 ニヤリと笑いあう自来也と綱手。 二人の企みが始まりの音を告げた。
あとがき 『カカシ先生、最低だってばよ』キャンペーン実施中です。 皆でカカシ先生を苛めちゃおう!!!