第二章 繋
事故から二ヶ月と一週間。 本当はもう少し早く退院できるのに先延ばしにされた。 銀髪の男のワガママで。神に背中 第二章 繋 本日晴れ。 ナルトの傷の具合は驚異的な早さで良好へと進む。 腹の傷からも糸を抜き、整形外科でキレイさっぱり。 「お前、肌がきれいだからねー。傷残したら貰い手がいなくなるよ?」 なんて言うから仕方なく。 “貰い手”というワードに疑問を持つことなく・・・・。 「あと一週間かぁ〜。長かったけど、あっという間だってばよ」 「そうだね。 ねぇ〜、仕事の復帰はいつ?」 「退院の一週間後に来いって言われた。一週間のうちになるべくリハビリしねぇとな」 「そういえば、お前の仕事って営業だったね。外回りって大変じゃない?」 「大変も大変!!体力作んなきゃもたねぇーってばよ」 「なら、退院後はそれに励むんだ」 「一応、ジョギングやランニングをするつもり」 「それなら昼頃に病院によりなよ」 「なんで?」 ナルトがキョトンとさせるとカカシはニッコリと笑う。 「ランチでもどぉ〜かなぁ〜って」 「オレを誘ってんの?」 「当たり前でしょ?前にも話したじゃない。一緒に食事しようって」 「酷いなぁ〜」と言って少しすねた三十路前に小さく笑った。 「わりぃってば!オレってば暇だから何時でも良いってばよ?」 「ホント?なら。忙しくないときに電話する。 大体、11時ごろにこれから忙しくなるか分かるから」 「オレもなるべく空けとくってばよ」 ナルトの嬉しそうな顔に心の中でガッツポーズをする。 その日以来、カカシのデスクの上には毎月発売される“美味料理店情報誌”が必ず置いてあるようになった。 それから一週間。 ナルトは病院内でリハビリに努めた。 それにはカカシも手伝い、既にナース達の仕事は皆無。 腹部は既に完全と言っていいほど閉じられているので、軽い腹筋。 足腰が弱くなっているので、それに関するプログラム。 体力が著しく低下したので体力づくり。 一週間で普通に生活ができるほどまでに回復。 そして、退院。 見送りに来た担当医。 ナースも驚いている。 担当医が見送りをするのは珍しくないが、カカシがするのは珍しいらしい。 「センセーってば、見送りにまで来たの?」 「当たり前でしょ?俺、お前の担当医よ?」 「看護士さんたち、驚いてるってばよ」 「ま、お前が初めてだからね」 「やっぱり・・・」 「はい」と渡されたのは花束。 これも異例中の異例。 普通、こんなに豪華なのは出されないだろう。 その前に、花束すら渡さない。 これはカカシの自腹。 「すげぇ・・・・」 「よかったな、ナルト」 「うん・・・」 ナルトの退院に付き添っているのは伯父の海野イルカ。 ナルトの荷物持ちでもある。 「畠先生、何から何までありがとうございます」 「いいえ。こっちが勝手にやっているだけですから」 「でも、ここまで良くしてくれて。 ホラ、ナルトもしっかり礼を言え」 「ありがとってば、カカシ先生」 「うんうん」 そんなこんなでナルトは僅か2ヶ月と2週間で、驚異的な回復力を木ノ葉病院に見せつけ退院した。 ナルトはイルカの隣を歩き、病院を後にした。 その後姿をカカシは見えなくなるまで見送っていた。![]()
![]()