710号室の孤独
ホームルームも終わり、一般生徒は解散となった。 ナルトたちは寮に行き、各自の部屋に行った。 710号室。 木ノ葉学園は寮生活をする生徒には、一人一部屋割り当てられている。 1年生と2年〜3年の普通科の国立・私立コースは同じような間取りとなっている。 2年〜3年の学科、コースによって部屋のつくりが違うらしい。 「お前が隣か・・・・ウスラトンカチ」 「げっ、サスケ!!」 隣の709号室のドアの前に嫌そうな顔をしたサスケがいた。 「騒ぐなよ。俺はお前みたいな騒がしい奴は嫌いだ」 「オレだって、お前みたいなスカした奴はお断りだってばよ!」 「はっ・・・」 馬鹿にするように鼻で笑い、サスケは自室に入って行った。 「スカした嫌な奴だってばよっ!」 「うぉー広い!」 高級マンションの1LDKほどの広さ。 簡易キッチンは清潔な白で統一されており、ダイニングには4人家族分の机と椅子がある。 リビングにはソファーと小さなテーブルがあり、正面には超薄型のテレビ。 寝室にはダブルベッドとクローゼット。 風呂とトイレも広くてピカピカ。 「この学園、どんだけ金持ちなんだってば・・・」 ここの施設費や教育費って一体幾らなのだろうと考えた。 コンコンッ 「はぁ〜い」 誰かがドアをノックした。 ドアを開けると荷物を持った宅配業者がいた。 「渦巻ナルト様ですか?」 「はい、そうだってば」 「波風様から預かりの品です」 波風。 自分の父方の祖父と祖母。 ナルトに波風の姓を名乗らせてくれない人たち。 ナルトの祖父は元理事長だったが、それは波風のほうではなかった。 母である渦巻の方であった。 「ここにサインをお願いします」 「ああ、はい」 差し出された伝票とペンを受け取り、サインをした。 「ありがとうございます。運び入れましょうか?」 「あ、お願いします」 業者は家具やらダンボールやらを部屋に運び入れた。 植物が特に多く、とりあえず全てベランダに運んでもらった。 「ありがとうございました」 再び部屋を見た。 散乱したダンボール。 家具はしっかりと設置してもらったが、ダンボールは適当においてもらった。 自分の荷物の量を確認した。 小さなチェストが一つ。 趣味の画材道具が幾つか。 リビングに一つのダンボール。 寝室に二つのダンボール。 自分の荷物の少なさに苦笑した。 (アイツらの事だから、オレの部屋にあるやつを全部つめさせたんだな) とりあえずリビングにある荷物を開けた。 中には植物用の道具や自分の食器などが一緒に入っていた。 適当につめたのがすぐに分かる。 その中に分厚い封筒が入っていた。 開けると中から札束が出てきた。 200万。 札束と一緒に一枚の紙が出てきた。 “長期休暇で帰省しなければならないときは、この金を使ってホテルにでも泊まれ。帰ってくるな” 大体は想像がついていた。 だから札束が出てきても何も思わなかった。 とりあえず札束を封筒に戻し、紙をグシャグシャにしてゴミ袋に放り投げた。 封筒を小さなチェストの隅にしまった。 粗方片づけをした。 植物の設置をして、水をやる。 小物などをリビングや寝室に置く。 衣類をクローゼットに入れているとドアがノックされる音が聞こえた。 「ナルト!片付け終わったか?」 ドアを開ける前にキバがドアを開け、入ってきた。 「よっ!」 「なんだってば・・・」 断りもなく入ってきたキバに少し苛っとしたナルト。 そのキバにシカマルが乗せる。 「悪いな。キバが勝手に入っていくから便乗した」 「ナルトの部屋って植物が多いんだね」 ちゃっかり入っているチョウジ。 寝室のものを片付け終わって、キバ・シカマル・チョウジと共にナルトの部屋を出た。 「これからどーすんだってば?」 「一応、昼食を食ってからこの学園を探検しようと思っている。広いし、見て回る価値はあるだろ?」 「ま、めんどくせーけど、初日から迷ったりするよりマシだからな」 「早く食堂に行こう。僕もうペコペコ」 「お前・・・さっき菓子を食ったばかりだろ・・・」 チョウジの言葉にすかさずキバが突っ込む。 寮の食堂はとても広い。 男子寮なのに全生徒が入りそうなくらいの広さだった。 昼時なので空いている席はあまり多く無い。 「確か、ここの食堂はバイキング形式だったよな?」 「なら、好きなだけ食べられるね」 「ほどほどにしとけよ、チョウジ。めんどくせーけど、この後歩くんだぜ?」 「とりあえず、トレイを取りにいかねぇと」 何人かが並んでいる列に四人はトレイを持って並び、それぞれ食事を取った。 チョウジが言ったとおり。 確かにここの食事は美味い。 食材の味を十分に引き立たせる味付け。 それらを胃におさめながら、シカマルはカカシから貰ったプリントを取りだした。 「最初にどこ行くんだ?」 「とりあえずA棟からだろうな」 「でもさ、でもさ!A棟ってエリートしか居ないんだろ?サスケみたいなスカした奴がたくさん居たら嫌だってばよ」 「ま、確かに。さわがしいとかで睨み付けられたらめんどくせーしな」 「じゃ、B棟?」 「B棟は教室しかねぇだろ?」 「じゃ、C棟で決まりだな」 4人はニィと笑って、プリントのC棟を見た。 この洗濯が間違いだとも知らずに・・・・。![]()
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