ある意味ストーカー
      
 




一通り自己紹介も終了した。
銀髪の担任はダルそうに出席簿を閉じ、クラス全体を一瞥した。


「んじゃ、次はこの学園について幾つかの諸注意と各施設について説明をするから、ちゃんと聞いてね」


カカシは手元にある大量のプリントを列ごとに配った。
プリントは3枚。
1枚は校則について。(隅にカカシの電話番号とメールアドレスがある)
2枚目は寮や学食を利用するに当たっての注意事項。
3枚目は学園の各施設について。


「1枚目のプリントには俺の電話番号とメールアドレスが書いてある。
イタ電や特に必要のないメールなどをしてきた奴は、後で何が起きても助けてやらないからね」


ニッコリと微笑んでいるが冗談ではなさそうだ。


「校則については各自読んどけ。お前らが校則を破って、後でイビキ先生に何をされても俺は助けないからね」
「イビキって誰ですか?」


女子が恐る恐る手を挙げた。
それに対して恐ろしいほど穏やかな顔で言った。


「イビキ先生はね、生徒指導主事。別名は“サディスティック尋問教師・イビキ”だけどね」
「・・・・・・・」
「ちなみに俺、ウソは言ってないからね」


カカシのその言葉に質問した女子とクラス全体が青ざめた。


「ま、信じないならためしにやってみれば?2〜3日はまともに食事ができないくらいに追い込まれるらしいから」


ニコニコと笑いながら言っている言葉は、どれも冷たく笑えないものだった。
ナルトは校則を幾つか読んだ。
『金髪禁止』
その文字に目をむいた。


「先生ぇー!」


ナルトは手を挙げた。
カカシは「どうぞ」と言って、ナルトの言葉を待った。


「金髪禁止ってあるけどよ、オレってばコレが地毛なんだけど。
この場合はどーすんの?」


ナルトの言葉にクラスの何人かは頷き、また何人かは羨ましそうになるとの頭を見た。


「その場合は自分の幼い頃の写真を持ってきて。俺が直接生徒指導の方に連絡するから」
「わかったてば」


ナルトが席に着くと、カカシは再び話し始めた。


「校則について他に質問がある場合は後で聞け。
次は、寮と各施設についてだ」


教壇の中から大きな紙を取り出し、それを黒板に貼り付けた。
学園の地図(構造図)だ。


「俺たちの教室があるのはココ。B棟。
A棟には2年生以上の特進クラスと図書室、進路室がある。
ま、今のお前らには特別用のないところだ。
図書室に用があったとしてもA棟のとは無関係だ」
「どぉ〜してですかぁ〜?」
「参考資料や歴史・科学・文学などの論文とか読みたいのなら行って良いぞ」


つまり、A棟に居るのはエリートのみ。


「B棟は1年から3年の普通クラスがある。1年はAからFクラスまで。
2年と3年はCからFクラスまでだ」


B棟は6階構造で、ナルトたちDクラスは5階にある。


「C棟は主に特別教室。移動教室のときは殆どがC棟だ。
D棟は2年と3年の情報コースと情報部と教師以外は立ち入り禁止。
校則に理由も書いてあるからしっかり読んでおくように」


1枚目のプリントと3枚目のプリントにしっかりと“立ち入り禁止”と書いてあった。
理由もしっかり書かれている。
“データ喪失を防ぐため”
尤もだ。


「そこの中央棟には職員室・保健室・学長室・理事長室・会議室・事務室がある。
中央棟の隣には学食がある。学食には購買もあるからな。
さっき言い忘れたけど、C棟の隣に体育館とプールがある」


「何か質問ある?」と言いたげな目でクラスを見渡す。
特に質問は無い様なので話を続ける。


「寮については書いてあるとおりだ。各自読んどいてね」





「おい、ナルト」


前の席のキバが振り返り、コソッと話しかけてきた。


「お前、寮に入るのか?」
「おぅ」
「部屋の番号は?」
「710号室だってばよ」
「俺は725号室だ」
「同じ階か」
「ああ。荷物は?」
「今日、宅配で届くってば」
「なら、整理が終わったら後で俺の部屋に来いよ。
シカマルとチョウジも呼んでさ、一緒に遊ぼうぜ」
「ああ、わかったってばよ」


ふたりしてニシシと笑うと、頭上でコホンッと咳払いが聞こえた。


「ふたりともさぁ〜、さっき俺の話し聞いてた?」
「・・・・えっと、まぁ・・・・その・・・・」
「・・・・なぁ?」
「・・・・・聞いてなかったのね」


カカシはガックシと肩を落とした。


「今から委員会を決めるからくじを引いてねって俺言ったよ?」


カカシの手には小さな袋が握られていた。
中にはたくさんのくじが入っていた。
出席番号順で配っていたらしく、最初のほうのキバで止まっていた。
2人で苦笑いをして袋の中からくじをひとつ引いた。













「そこに書いてあるのが君たちが担当する委員会。
くじを引かせなかった人は強制的にクラス委員だからね」


クラスから何人かの悲鳴がとどろいた。
それをカカシはニコニコと気持ちよさそうにきいていた。

(サディスティックはカカシ先生だってばよ・・・)

そんなことを思いながら悲鳴を上げている人を哀れに思った。
クラスの女子の何人かはカカシが担当する委員会が当たるようにと祈っている。
カカシ狙いの豹がこのクラスには多いようだ。
カカシのほかにも、サスケと同じ委員会になることを切に願っている女子多数。
とりあえずそれを気分悪く思いながら、ナルトはくじを開けた。


「うっし!体育委員だ。ナルト、お前は何だった?」
「あ、ありえねぇ・・・・」


青ざめるナルト。
キバはナルトのくじを見た。


「げっ、図書委員・・・・ドンマイ」
「はぁ〜〜・・・・」


木ノ葉学園の図書委員会は大変で有名。
本の数が国立図書館顔負けに多いので、整理の時期は目が回るほど忙しいと先輩が泣き言を言っていたのを
ナルトは思い出した。
その時に疲れきった先輩の表情は忘れられない。


「じゃ、くじを確認するから」


カカシは名簿に委員会を書き加えながら回収し始めた。
なるとは自分の出席番号を恨んだ。
最初らへんでなければ誰かと交換することができたが、それを思っても仕様がない。


「へぇ、お前図書委員か・・・。俺、図書委員会担当だから、よろしくな」
「うへぇ・・・・・」


ナルトの周りには、どうやらこの変態っぽい教師が付きまとうらしい・・・・。