入学式
――――――――春。 例年よりも少し寒い所為か、桜は少ししか咲いていない。 4月1日。 入学式の今日、渦巻ナルトは木ノ葉学園の正門をくぐった。 全寮制の私立。 総生徒数840人。 3年制の3学期制。 普通の学校と違うところといえば、学園長と理事長が“カワリモノ”らしい。 それ以外は、1年目は適性するコースの審査があるとか・・・・よく分からない。 「それにしても・・・・でっけぇ〜てばよ〜」 ピカピカの洋風な校舎(?)がいくつもある。 一つの建物は必ず五階以上はある。 「最初の2週間は迷子だな・・・」 「なら、俺が案内してあげよっか?」 「――――っ!!!」 急に耳もとで囁く様に言われた。 いきなりのことなので、飛ぶように逃げた。 「なっ!!!」 振り向くとそこには、銀髪の男がニコニコ笑っていた。 左側の額から左目の下までザックリと切り傷がある。 「あれ?おどろいちゃった?」 「あ、当たり前だってばよ!!」 「そっか〜。ごめーんね?」 相変わらずニコニコ笑っている男は見た目20代中〜後ぐらい。 「おっちゃん、誰なんだってば?」 ナルトがそういった瞬間に、銀髪の男は開眼し、物凄い形相でにらみつけてきた。 「おっ・・・・おじさんんん〜〜〜〜!!?」 「うぉっ!?」 「俺はまだ、29だよ〜!?」 「ご、ごめんってば!」 ナルトが謝ったら、すぐにニコリと笑った。 「うん、謝るなら許す」 「あ・・・・ありがとっ」 「うんうん・・・・」 ニコニコと笑うと男の片目は黒なのに、傷がある左目は赤だった。 その目を綺麗だと思った。 『―――間もなく、入学式を開式致します。新入生、在学生はすみやかに体育館に―――』 「あっいけねっ!!」 「ああ、もうすぐか」 「オレ、行かねぇと・・・」 「あ、そうだな」 男は指をナルトの後方にさした。 「体育館はこのまま真っ直ぐ行ったら着くよ」 「ありがとってばよ」 ナルトはそのまま体育館のほうへ走っていった。 「う〜ん。随分、可愛くなっちって・・・ナルト」 体育館に着くと、すでに集まってクラスごとに列をつくっていた。 各列の前にはアルファベットが書かれているプレートを持っている人が居る。 アルファベットはクラスを指す。 A〜Fまで。 「えっと・・・オレはDクラスだから・・・」 Dと書かれたプレートが見えた。 出席番号順だから“渦巻ナルト”は前方。 「おっ、キバ!」 「よぉ、ナルト!」 Dクラスの列に小学校の頃からの友人、犬塚キバが居た。 「キバは、Dクラスなんだってば?」 「おぅ。んで、お前は俺の後ろに並べ」 「なんでだよ!」 「出席番号順だよ、馬鹿!オレが3番でお前が4番」 なるほど。 確かにキバの後ろは人一人分空いている。 ナルトはニシシと笑いながら空いている場所に身体を滑り込ませた。 「お前、なんでこんなに遅かったんだ?入場ギリギリだぜ?」 「ああ、なんか・・・・変な人に絡まれた」 「マジかよ!?大丈夫だったのか?」 「それは心配ないってばよ。変な人つっても、悪い人ではなさそうだったし」 「ならいーんだけどよ。どんなカンジの人?」 「なんか・・・・・・変態っぽいってばよ・・・・」 「変態?・・・・・・良かったな、何もアヤシイことされなくて」 「何だよ・・・・アヤシイことって・・・」 ナルトが青ざめて後方に一歩退ると後ろの人の足を踏んでしまった。 ナルトは慌てて振り向いた。 「あっ、ワリ――――」 「いてぇだろうが、このウスラトンカチ」 「―――――・・・は?」 振り向いて謝ろうとしたらものすんごく不機嫌そうな顔で“ウスラトンカチ”といわれた。 「ぼぅっとしてんじゃねぇ。このドベ」 さらに“ドベ”とまで言われた。 元々、熱くなりやすい性格なので・・・もちろん。 「なんだとぉっ!!テンメー、もういっぺん言ってみろってばよ!!」 「ああ、何度でも言ってやるよ。ウスラトンカチ」 「むきぃ〜!!!なんだってば、てめー!!」 「ちょ、やめろ、ナルト!」 キバに羽交い絞めにされながらもなお、目の前のスカした青年に殴りかかろうとするナルト。 「こら、お前ら!何をしている!」 そこへ鼻の上に傷がある男性が止めに入った。 どうやら教師らしい。 「もうすぐ入学式が始まる。その前に問題を起こしたら、入学式を指導室で行うことになるぞ?」 「「「・・・・・ぐっ」」」 「ほら、ちゃんと並べ」 その教師はやんわりとその場を納めた。 「・・・・・・」 「・・・・・はんっ」 睨み合う二人。 (オレってば、ぜってーこいつとはあわねぇ!!!) (コイツ・・・・・・) こうして二人は晴れてライバル同士となった。![]()
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