プロローグ
      
 





「この疫病神めっ!!」


バシッ!!


「じいさん、こんな子、家に居るからなんですよ」
「ああ、ばあさんの言うとおりだ!!」
「早く居なくなってくれれば良いのに・・・」


焼きつきそうなくらい熱い頬。
痛い。
でも、コイツらの前では『痛い』なんてゼッテー言わねぇ!

オレをゴミを見るかのような目つきでにらむ大人。
オレのじっちゃんの兄弟夫婦。
そして、オレのはとこ。


「ふんっ、まぁいい。どうせお前は来年からは寮生活だからな。
高い金を出してでも、あの学園に連れて行く価値はある」
「お前が居なくなるともうと、せいせいするよ」

じじぃとばばぁは吐き捨てるように言って奥の部屋へ行った。

「死ねよ、疫病神!!」

オレの顔に唾を吐き、立ち去る同い年のはとこ。


残されたオレは、顔に付いた唾を拭き、傷む部分をかばいながら立ち上がった。
庭に出て、まだ硬い蕾のままの桜の木を見上げた。





「父ちゃん・・・・母ちゃん・・・」