ヘタレ上等!!
      
 









本日、俺の同僚、はたけカカシの機嫌が異常な具合に悪い。

こんなに機嫌が悪いのは初めてかもしれん。
女に振られた(性格には殴られた)ときですら、こんなにも悪くはなかったのに・・・。

今日の奴の機嫌の悪さは計り知れん。
待機所全体に不穏なオーラを撒き散らしている。
数人の同僚の上忍は、遠くからカカシの様子を伺ったりしている。

まだ下っ端のほうの上忍はカカシの形相にガタガタと震えている。
何人かは「これなら戦場に行ったほうがマシだ」と言って、逃げていった。

それくらい奴の機嫌は悪い。

何が原因かは分かる。
コイツの機嫌をこんなにも左右できるのは、あいつしかいねぇからな。





ヘタレ上等!!
話は昨日の昼頃までさかのぼる。 「いやぁ〜諸君、今日は迷子になったおねぇさんを案内・・」 「「はい、嘘!!!」」 何時もどおりのバレバレの嘘を突っ込むサクラとナルト。 少し離れたところからサスケがカカシを睨んでいた。 本日の遅刻時間は、過去最高記録を更新している。 「せんせー!!立派な忍者が時間も守れねぇんじゃ、ダメだってばよ!!」 「そうですよ!!しかも!!今日の遅刻時間は過去最高ですよ!!?いい加減にしてください!!」 「ウスラトンカチが・・・」 「ごめ〜んね?だって、おねぇさんが・・」 「そういう嘘はいらねぇってば!!」 「だいたい、カカシ先生みたいな怪しい人なんて、だれも声かけませんよ」 「えっ、ちょ、サクラ」 サクラの怪しい発言に少々焦るカカシ。 自分はこう見えてもモテルのだ。 マスクを外して表を歩けば、砂糖に群がる蟻の如く女が寄ってくる。 それくらいなのに・・・。 そして何よりも焦る理由は・・・愛しのナルトがうんうんと頷いている。 「ナルトも俺が怪しいって思うわけ?」 「思うってば!!」 「・・・・・・・・・」 コンマ一秒の間も入れずに即答する。 それにガッカリと肩を落とす御年26歳。 (俺って・・・そんなに怪しい男に見えるのかね・・・) 元気良く頷く金髪に愛おしさと落ち込みが混ざる複雑な気持ちだった。 ふと、ナルトの隣に居るスカしたサスケをみれば・・・ 「ふっ・・・」 鼻で笑われた。 (こ、コイツ・・・・っ!!!!) 「おい、ウスラトンカチ。さっさと任務を始めろ。 時間の無駄だ」 「そうだってばよー」 「な、ナルト・・・」 何時もは決裂しているナルトとサスケの意見が珍しく一致した。 サスケに責められるのはなんてことはないが、ナルトがサスケに便乗するのはダメージ。 だが、ここで怯んでいては大人の威厳というものが廃れる。 カカシは何とか持ち直し、本日の任務を発表した。 「は〜・・・疲れたってばよ・・」 「私もー・・・」 「・・・・・・・」 任務は無事終了。 疲れを見せる3人。 カカシはナルトの前にしゃがみ、ニッコリと笑った。 「ナルトー、今日このあと・・」 「おい、ウスラトンカチ。今日の約束忘れんなよ」 カカシの言葉を遮ってなにやら意味深な言葉を言うサスケ。 それにナルトはにっこぉと笑って頷いた。 「分かってるってばよ!!お前ン家に行けばいいんだろ?」 「ああ、待ってるから早く来いよ」 「え・・・ちょ・・・どういうこと?」 サスケは勝ち誇ったような笑みをカカシに向け、捨て台詞を吐いた。 「そういうことだ。残念だったな」 そしてサスケは帰っていった。 ナルトもヒョコッと立ち上がった。 「んで、何か用があったんだってば?」 「え、いや、一緒に夕飯食べないかなぁ〜って・・・」 「あーゴメンってば・・・。今日は約束があるから無理。 また今度誘って欲しいってばよ・・・」 すまなさそうに言うナルトにこれ以上言えなく、 「いいよ。それじゃあね・・・」 と言って、瞬身でその場を後にする。 そんなヘタレ。 「――――んで、お前が機嫌悪い理由ってのがそれか?」 「そうだよ・・・。嗚呼、ナルト・・・ナルトぉぉぉぉ〜」 「お前のヘタレっぷりにどんどん拍車がかかっていくな・・・」 「うるさいよ、熊!!嗚呼・・・・俺のナルトがぁぁぁぁ〜」 「正確にはお前の『部下』のナルトな。お前らは付き合ってねぇからお前の所有物じゃねぇ」 「いずれはそうなるの!!」 「うちはのガキに先を越されているのにか?」 「!!!!!!」 図星を突かれ、ますます落ち込み、不穏なオーラを垂れ流すカカシ。 その同僚にため息と紫煙を同時に吐き出すアスマ。 そこへ、天使が舞い降りた。 「カカシせんせー!!」 「な、ナルト!!?」 上忍待機所・人生色々に乱入してきたのは愛しのうずまきナルト。 万遍の笑みを浮かべてカカシに近づいてきた。 「ナルト、どうしたの?」 ここは上忍以外はあまり出入りしない場所なので下忍が入ってくるのは相当珍しい。 何人かの上忍は乱入してきたナルトを凝視している。 はたまた何人かは、可愛らしいナルトに頬を染めている。 当のナルトはカカシの前でニシシと笑って何かをカカシに渡した。 「はい、先生にだってば!!」 「俺に?」 差し出されたのは風呂敷に包まれた何か。 それを受け取り、風呂敷を外すと中からはお弁当箱が出てきた。 「先生のために作ったんだってば!!」 お弁当箱からはイイ匂いが漏れていて、とても食欲をそそる。 ふたを開けると、綺麗に盛り付けなどがされているオカズの数々。 「俺の・・・ために?」 「うん!カカシセンセーって、いっつもまともなモン喰ってないから、お弁当を作ったんだってばよ」 少し照れくさそうに言うナルトに愛しさがこみ上げてくる。 しかも、弁当のできは非常に良い。 点数をつけるのならば、100点満点だ。 「ナルト・・・・」 「2週間ぐらい、イルカ先生とサスケに特訓してもらって頑張ったから、味は大丈夫だってばよ?」 「・・・へ?じゃぁ、昨日のサスケとの約束って・・・」 「カカシ先生のお弁当を作るための特訓だってば!」 ニッコリと笑うナルトに虚偽など無く、安心した一方、手作り弁当に感無量のカカシ。 先程まで垂れ流していた不穏なオーラもどこへやら。 「あ、俺ってば、これから用事があるんだった・・・。 じゃ、先生、味わって食ってくれよな!!」 そういってあっという間に出て行ってしまったナルト。 カカシは椅子に座り、にやけながら弁当を租借した。 「むふふ・・・・ナルトの愛妻弁当・・・」 「お前の『妻』じゃねぇから唯の『弁当』だな」 「うるさいよ〜」 殆ど自分の世界に入っているので、アスマの言葉も殆ど気にならないらしい。 「あ、ナルトにありがとうって言うの忘れた・・・」 「はぁ〜お前って、本当にヘタレているよな・・・」 その後、人生色々でカカシがにやけながら弁当を食べる様を見かけるようになったとか・・・。 fin

あとがき 先生がヘタレて居るのに比例して、あたしの小説もヘタレている。 なんだあの終わり方は・・・駄文にもほどがあるぜ・・。 えー・・・『カカシ先生ヘタレているってばよキャンペーン』実施中です。